7月14日【マオリの新年:マタリキについて】
こんにちは!
今日はニュージーランドの祝日であるマタリキについて紹介したいと思います。
マタリキとは、マオリ語でプレアデス星団(日本では昴(すばる)と呼ばれています)のことです。ニュージーランドでは冬至を迎えた後、東の空にマタリキの星が輝き始めます。
マオリの人々は星を見て航海をし、星の存在が生活と共にありました。そしてマオリの人々にとって、マタリキを見つけることが新しい年の始まりを知らせるシグナルとなっていました。この時期に家族や親族で集まって先祖を偲んだり、食事や歌を楽しみ、その年の豊作や豊漁に感謝し、自然からの恵みを願って過ごします。日本でいうお盆とお正月を合わせたような感じですね。そして昨年からニュージーランドの祝日として、このマタリキが制定されたようです。
このマタリキ(プレアデス星団)は肉眼で見えるのは9つ程で、それぞれの星に名前と意味があります。マオリの神話では、この星団は母親のマタリキと6人の娘、トゥプアヌク、トゥプアランギ、ワイプナランギ、ワイティ、ワイタ、ウルランギであると伝えられているようです。
〇マタリキ
希望と内省、環境とのつながり、人々の健康と幸福を意味する星。
〇ポフトゥカワ
亡き人を象徴する星。
〇トゥプアヌク
地中で育つあらゆる食べ物の収穫、収集に関係している星。
〇トゥプアランギ
鳥や木の実、果物など、空からもたらされる食べ物に関連した星。
〇ワイティ
川や湖などの淡水域と、そこで育まれる食べ物と結びついている星。
〇ワイタ
海とそこから得られる魚介類を表すとともに、海岸や海の環境と生態系を尊重するよう告げる星。
〇ワイプナアランギ
雨、雹、雪に関わる星。
〇ウルランギ
様々な風と縁のある星。
〇ヒワイテランギ
願いの星で、来たる年の希望や願望を叶えるのを助けると言われている星。
保育園ではだいぶ前からこのマタリキについて、遊びの中やマットタイムで取り入れていて、マオリの文化に詳しい先生を中心に、マタリキとは何か、どんな日なのかを少しずつ理解できるようにしていました。特に9つの星の意味については、それぞれの星の意味にちなんで1枚ずつポスターを作り、どの星にどのような意味があるのかが分かるように取り組んでいました。
またマタリキの歌を歌ったりマオリ語の歌を歌ったり、マオリの人々が大切にしている自分を育てた山、川、海などの自然から自分を紹介する"自己紹介"を意味する『Pepeha』という歌を歌ったりしました。(Six60というニュージーランドのバンドが歌う『Pepeha』はとても素敵な歌なのでぜひ聴いてみてください!)
また、マオリの人が自分の部族で集まるマラエという施設の中にある最も重要な、集会を行う「ファレヌイ」という建物に見立てたコーナーを設定し、その中では静かに本を読んだり、友だちとの会話を楽しんだりしてゆっくりと落ち着いて過ごせるようにしていました。マオリの人々はマラエを自分たちの属する居場所として捉えていて、お祝いをしたりお葬式をしたりと重要な部族の行事が行われるようです。実際にマオリの旦那さんがいるという先生に話しを伺うと、定期的にマラエを訪れて、ご先祖さまのお墓を綺麗にしたり、親族の誕生日をお祝いしに行ったりしているそうです。今の自分がいるのはご先祖さまがいてこそであり、未来の子どもたちのためにも大切な文化を受け継いで、繋ぎ続けていかなければならないと仰っていて、自分の先祖を大切にする日本の文化とリンクするところがあるように感じました。
日本でも薄れつつある大切な伝統文化を、未来を担う子どもたちへと継承していきたいと改めて実感しました。
また7月14日当日は祝日であり、せっかくなのでマタリキフェスティバルというシティのイベントを訪れました。そこでは、マオリの伝統的な衣装や道具が売っていたり、歌やダンス、カパハカというマオリの伝統的なダンスパフォーマンスが観れたり、子ども向けにポイというマオリの人々が使うダンスの道具を作ったりすることができ、(大人ですが作ってみたいと伝えたら快諾してくださり、私もポイ作りに挑戦しました!)少しですが、マオリの文化に触れ、実際に体験することができた一日でした。
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