top of page

12月31日【テファリキについて】

こんにちは。

今回はニュージーランドの保育指針である「テファリキ」について、紹介したいと思います。


パイオニアキッズで取り入れているテファリキとは、ニュージーランドの先住民族であるマオリ族の言葉で「敷物・織物」を意味しています。

なぜ保育指針をテファリキと呼ぶのか、なぜ敷物・織物なのか・・・?というと、まずニュージーランドではマオリの文化を大切にしており、そのマオリの人々は昔から先祖から受け継いだ技術を使ってマントやかご、ファリキ(敷物・織物)を作って生活していました。そしてファリキを織るには知識や技術、また時間と仲間が必要なので、敷物はマオリの人を象徴する特別な意味をもっていました。そしてこの指針には4つの原則と5つの要素があり、それらが織り込まれた、バラバラではなくそれぞれが重なり合っているからこそ、敷物や織物を意味するファリキという言葉が使われています。また、子どもに関わる保護者、保育者、家族、地域社会が協力して、「全員がその上に立つための敷物」としても理解することができます。そう考えると、なんだかみんなで子どもたちを支えているように感じられますよね。


4つの原則には

「Empowerment」

「Holistic Development 」

「Family and Community 」

「Relationships 」、

5つの要素には

「Well being」

「Belonging 」

「Contribution 」

「Communication 」

「Exploration 」

があり、それぞれ英語だけでなくマオリ語でも表現されているのですが、英語とマオリ語では必ずしも同じ意味という訳ではないようです。


今回はまず、テファリキのうちの4つの原則について紹介します。

「Empowerment 」とはマオリ語では「Whakamana」と表現され、日本語では簡単に訳すと子どもの主体性といえます。この原則は、すべての子どもたちが自分のmanaを認識して強化し、他の人のmanaを強化できるようにサポートする、力を与える経験をすることを意味しています。マオリの観点から見ると、すべての子どもたちはティプナ(先祖)から受け継いだmanaを持って生まれます。manaとは存在の力(生まれ持っている力)であり、維持し強化する必要があります。力が与えられる環境では、子どもたちは自らのアイデアを生み出し、それに基づいて行動し、興味のある分野の知識とスキルを身につけ、さらには自分に関係する事柄について意思決定や判断を下す主体性を持ちます。つまりEmpowerment とは、子どもたちが生まれ持った力を発揮できる経験をもつことであるといえます。


次に「Holistic Development 」をマオリ語で表現すると「Kotahitanga」と言われ、日本語では包括的な発達と訳すことができます。人間の発達は、認知的、身体的、感情的、精神的の観点から考えることができますが、これらの側面は密接に絡み合っているので総合的に見る必要があります。包括的なアプローチでは、子どもを学びたいと思う人間として捉え、様々な課題を意味のある全体として、全体をそれぞれの部分の合計よりも大きいものとして捉えます。つまりHolistic Development とは、子どもたちの学びや成長を総合的に見ることであるといえます。


そして「Family and Community 」は、マオリ語では「Whanau tangata」と表現され、日本語では家族と地域社会と訳せます。子どもたちは、自分たちの文化、知識、コミュニティが認められ、周囲の人々が環境を越えてつながりを作られたと感じる時に、最もよく学び、成長します。また、すべての文化には、特定の知識、スキル、態度、気質に価値を置く伝統や子育ての実践があるので文化的に適切なコミュニケーション方法を元に、保護者、家族、地域社会が協力することで、子どもの学びと発達が促進されます。

つまり、子どもたちは家族や地域社会との繋がりの中で育つと言えます。

最後の「Relationships 」はマオリ語では「Nga hononga 」と表現され、日本語では関係性と訳せます。

子どもたちは人、場所、物との相互的な関係を通じて、自分のアイデアを試し、実際の理論を洗練する機会を得ます。また、過去、現在、未来とのつながりは、マオリの人間関係の観点に不可欠です。これには、亡くなったティプナ(先祖)との関係や、山、川、海、大地とのつながりも含まれます。どうしても人や場所、物というと身近なところで考えてしまいがちですが、マオリの人々は先祖や自然をも関係性の一部として捉え、子どもたちの学びや成長には不可欠であると考えているということが分かります。


これら4つの原則を見てみると、子どもたちは生まれ持った力を発揮し、様々な人や場所、物などとの繋がりの中で総合的に学ぶ存在であると認識することができるかと思います。そして改めて子どもたちの持つ力を最大限に伸ばしていけるようにするためも、私たち保育者は色々な観点から総合的に捉えて、たくさんの学ぶ機会を作っていくことが大切であると実感します。そしてマオリの人たちが大切にしている過去、現在、未来との繋がりというところでは、現地の保育者の方に話を伺うと、その方の家族がマオリの方ということで、実際にマオリの人たちは過去から未来にかけての繋がりを大切にしていると仰っており、先祖から受け継いだmanaを未来の子孫へと繋げていけるように、子どもたちがその力を発揮できる機会を作っていけたらと思いました。

テファリキについて勉強していると、ものすごく奥が深いことが分かりますね。


長くなってしまったので今回はここまでにして、今後5つの要素についても紹介していきたいと思います。

2023年は今日で最後ということで、今年は特に毎日が新鮮であっという間の1年であったように感じます。

拙い文章ですが、このようなブログをご覧いただきありがとうございました。

皆様も良いお年をお迎えください。

また来年もニュージーランドの魅力をお伝えしていけたらと思います。





Commentaires


bottom of page